山口県周防大島町で行方不明となっていた2歳の藤本理稀(よしき)ちゃんを発見した尾畠春夫さん。
この方とは、7年前に大分県の由布岳でお会いしたことがあります。
その時の写真、
と言っても、写っているのは、乗ってこられたバイクですが(笑)
その時は、私たちが登山中に尾畠さんが後ろから追い抜いていくところでしたが、
妻が声をかけて、しばらく立ち話をしたのでよく覚えていました。
登山道の整備ボランティアをされていると聞き、
「自分のことはネットにも出ているよ」ということだったので、
家に帰って調べてみたら、尾畠春夫さんの活動が記載されていました。
今回のこの捜索騒動で一躍有名になり、びっくりしています。
多分本人もビックリでしょう。
勿論、今回の子供の発見は凄いことで素晴らしい活躍でしたが、
私は、この人の生き方の方に興味がありいますし、
どうしてそういう生き方ができるのかを知りたくなりました。
そして、なぜこんなにも、みんなの心を打つのか?
とても自分が彼の真似をできるとは思えませんが、
知りたくなりました。
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捜索方法再考の必要性
尾畠さんが山に入って、わずか30分で子供を発見したということに驚きです。
警察や消防の人たちが大掛かりに走査しても3日間見つからなかったというのに。
警察や消防の方たちも必死に捜索されていたのだと思いますが、
今回の結果を見る限り、捜索のやり方に問題があったのは確かでしょう。
2歳の子供がまさか山の方に500mも入れるとは思わなかったという
先入(固定)観念があったからだと言われていますが、
過去の捜索で見つからず亡くなった方もいるかもしれないと思うと、
幼児の思考や人間行動心理などをもっと研究して、
捜索のやり方を再考する必要があるように思いますね。
尾畠さんがボランティアを始めたきっかけ
今回の件を知るまでは、由布岳の登山道整備のボランティアの人と思っていましたが、
なんと、東日本大震災や熊本地震、水害・土砂崩れなどの被災地など、
どこにでも駆けつけてボランティア活動をされているとは知りませんでした。
50代で由布岳登山道の整備ボランティアを始めてから、
ボランティア歴約25年になるそうで、登山歴は37年だとか。
月に7、8回、30~40キロの材料を担いで登っては、
路肩を直したり、階段を整えたり、案内板を設置したり。
「何度も登らせてもらった山への恩返し」とのことで、
登山者が「ありがとう」と言ってくれるのがうれしいそうです。
地元でもボランティアに励んでいて、通学路の草を刈ったりしているそうですが、
「子どもがマムシに噛まれたりしたら大変だから」ということのようです。
60代半ばまで大分県の地元で鮮魚店を経営していたひとが
なぜボランティア活動を始めることにしたのか?
ボランティア活動を始めたきっかけや理由はあったのでしょうか?
尾畠さんの言葉によると、
「学歴も何もない自分がここまでやってこられたのは、みなさんにお世話になったから。
社会にお返しをさせてもらおう」
と仕事をやめてボランティアを始めたということのようです。
ボランティアとしての尾畠さんの信念
理稀ちゃんの家族から食事や風呂を勧められたそうですが、
これを固辞されたそうです。
「対価、物品、飲食などの謝礼をもらうことは、ボランティアとして失格」
「敷居をまたいで家の中に入ることもボランティアとして失格」
「人がどうしようと関係ない。尾畠春夫は自分なりのやり方がある。」
だそうです。
なので、
軽ワゴン車に食料や水、寝袋などの生活用具を積み込み、
助ける相手側に迷惑をかけないのが信条とのことで、
「自己完結するのが真のボランティアだ」とおっしゃいます。
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尾畠さんの活動費はどこから?
自分の年金から捻出しているそうで、
国民年金だから、額は多くないはず。
自分にはほとんど使っていないんでしょうね。
「お金はいるだけあったらいいです。余分にいらないですから」
「私は最低の物を食べてでもボランティアはさせてもらう」
と尾畠さん。
尾畠さんが大切にしている言葉
「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」
「人の命は地球より重い」
「人の命は地球より重い」
は、命の尊さを人一倍思っているから出る言葉。
今回、2歳の幼児が見つからないということで、
居ても立っても居られないことからの行動。
分かっていても実行できるものではありません。
「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」
これこそが、この人の信条。
「恩」を人一倍大切なものと思っているから、
こういうボランティア活動ができるのだと思う。
翻って、
自分は日頃「恩」というものを感じているだろうか?
恩を恩と感じず、当たり前と思ってはいないだろうか?
なぜこんなにも、みんなの心を打つのか?
尾畠さんの大切にしている言葉(信条)がその答えだと思う。
「恩返し」のために生きている。
人の喜ぶことをしてあげたい。
私利私欲はほぼゼロ。
利他そのものの生き方。
「雲心月性」とはこのひとのことか。
我々が忘れていたものを実践している人がいるんだ
という感動でしょう。
やりたいとは思っても、
「他人より自分」と思っている限り
物欲がある限り
傍観者である限り
信条のない限り
自分にはまねできないことだから。
健康維持の秘訣
「健康に勝るものはない」と
毎日8キロのランニングを行うなど自らを鍛え続けているそうです。
でも、全部総入れ歯だそうです。
自分の歯にはお金をかけなかったんですね。
テレビキャスターの質問
「血糖値とか血圧とかコレステロールとか人間ドックに入って調べたりすることありますか?」
に対する尾畠さんの答えは、
「悪いところは3か所あります」
「顔が悪いんです。色が黒すぎます。足が短すぎます。その3か所です」
と笑わせる一面も。
66歳の時には、徒歩で三か月かけて日本列島縦断を成し遂げています。
歩いた距離は3250・5キロ。夜はテントかバス停、無人駅で眠り、風呂に入ったのは6回。
達成後、「目標を持ってやれば、出来るものだ」との言葉。
因みに、
頭に巻いた赤いタオル。
あれは、遭難や動物対策の目的で習慣的に身につけているそうです。
ご家族は?
ご自宅は、由布岳からそう遠くない大分県日出町(ひじまち)川崎。
ご家族は、いらっしゃるのかな?
テレビに出演されたときに、奥さんについて聞かれた尾畠さんは、
「奥さんは、5年前に用事があって出かけてまだ帰ってこない」と苦笑いされたとか。
分かれたのか?死別したのか? 不明です。
48歳の息子さんが一人、45歳の娘さん一人。
孫娘が一人と男の子の孫が四人とのことです。
最後に
「元気な間はボランティアを続けて恩返ししたい」
と、これからも人助けのために全国を走り回る尾畠さん、
雲心月性のお手本です。
理稀ちゃんに伝えた言葉が、すべてを語っていますね。
「人の喜ぶことをしてあげてって、伝えたい」
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